- 06/11 息も止まるくらいに 2012.611
- 06/10 一時の気の迷いに流されてはいけません/私が欲しいのはそんな答えではない(大将×副官ver) 2011,611
- 06/10 3. 君の未来は私がもらう
- 06/10 2. 一時の気の迷いに流されてはいけません/私が欲しいのはそんな答えではない(大佐×中尉ver.)
- 06/10 1. 慌てて離した手 2010,611
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「もしもし。リザさん?お久しぶりです。ウィンリィです」
「ウィンリィちゃん?ほんと、お久しぶりね。昨日、招待状届いたわ。おめでとう」
「ありがとうございます…ってなんか恥ずかしいな。あ、その招待状のことなんですけど、お二人とも凄くお忙しそうだし大丈夫なのかなと思って」
「わざわざありがとう。大丈夫よ、ちょうど一区切りついたところなの。エドワード君とウィンリィちゃんの結婚式だもの。喜んで出席させてもらうわ。本当によかったわね」
「そうなんですけど、でもあいつったら信じられないんです!プロポーズになんて言ったと思います?等価交換の法則だからとか言うんですよ」
「エドワード君らしいわね」
「いつまでたっても錬金術バカっていうか…錬金術師って皆、ああなんですか?」
「そうねぇ…」
「これから先の参考にマスタング将軍とリザさんのお話もききたいなぁって」
「私達はそういう関係じゃないもの。参考にはならないわよ」
「でも、お二人はどんな時でも一緒にいらっしゃるじゃないですか。理想的な関係だなぁって。正直に言うと、私、ずっとリザさんが羨ましかったんです」
「私もウィンリィちゃんが羨ましくなったことあったわよ」
「え?リザさんがですか?だって私、なんで待ってるしか出来ないんだろうってずっと思ってたんですよ」
「過去形なんでしょう?」
「はい。やっと本当に分かった気がするんです。私には私の居場所があって私にしか出来ない役目があるんだって。そしてそれはとても幸せなことなんだって」
「そうね。私も今は同じことを思ってる」
「なんか似てないのに似てるんですね私達。あ!きっとバカな錬金術師には私達みたいな女じゃないと駄目なんですよ」
「そうかもしれないわね」
クスクスと笑いあって和やかな談笑のまま電話は切れた。
「随分と楽しそうな声が聞こえたが相手は誰か聞いても?」
そこへ当然のように彼があらわれる。こういうタイミングは相変わらずだ。
「いつからいらしたんですか?」
「残念ながら、つい先程だよ。質問の答えを聞いていないが?」
「ウィンリィちゃんですよ。こちらの都合をわざわざ気遣ってかけてくれたんです」
「ああ、鋼のの。しかしあいつも意外とやる時はやるもんだな。で、何を話してたのかね?」
「随分、気にされるんですね」
「君のあんな楽しそうな声は久しぶりに聞いたからね。気にもなる」
「女同士の秘密です」
「そう言われると余計気になるんだが」
「将軍だってエドワード君が挨拶まわりに来てくれた時に男同士の会話されてたじゃないですか」
「なっ!まさか君、聞いて…」
「私が盗み聞きなんてするとお思いですか。それとも聞かれてはまずいお話をなさっていたんですか?」
「いや、そういうわけではないんだが…む。そうか女同士の秘密か…」
「幸せそうでしたよ。ウィンリィちゃん。式に行くのが楽しみですね」
「ああ。そうだな」
初めて会った時はあんなに小さかったあの子達が新しい家庭を作っていく。
次世代が幸福を享受していく世界、願っていたものの1つにふれて自然と柔らかな笑みを浮かべながら、ふと、彼との新たな約束を思い出した。
ウィンリィちゃんには、ああ言ったけど私達の約束の言葉は錬金術師たる彼らしくない言葉だったのだ。
ホムンクルスとの最終決戦が終わった後、視力の戻った彼はイシュヴァール政策への決意とともに1つの約束をくれた。
「私の全てをもって取り組もうと思う。どれくらいかかるかも分からん。私の未来も預ける覚悟だ。そのうえで君と改めて約束を交わしたい」
「はい」
「私には君が必要だ。だから君の未来は私がもらう」
真っ直ぐな眼で私を見て彼はそう言った。
それはもう私の意志を確認する言葉でなく彼の意志の言葉。
幼いあの日から本当はずっと欲しかった言葉だ。
だから私はこの約束に決まりきった言葉を口にした。
「何を今更」
今、私の世界は現在も未来も彼の世界と同じところにある。
Fin.
★コメント
最終話記念とロイアイ記念を兼ねて。
最後の写真のウィンリィのピアスがないのとリザの髪がショートなのはそういう意味もあるのかなという妄想。ついでにエドがプロポーズしたきっかけの1つに増田との会話があったりしないかなとか妄想。
他、いろんなものをつめこんだらこうなりました。
最終話は本当にいろんなパターンが妄想できて楽しいのですが、そのうちの1つだと思っていただければと。
「ウィンリィちゃん?ほんと、お久しぶりね。昨日、招待状届いたわ。おめでとう」
「ありがとうございます…ってなんか恥ずかしいな。あ、その招待状のことなんですけど、お二人とも凄くお忙しそうだし大丈夫なのかなと思って」
「わざわざありがとう。大丈夫よ、ちょうど一区切りついたところなの。エドワード君とウィンリィちゃんの結婚式だもの。喜んで出席させてもらうわ。本当によかったわね」
「そうなんですけど、でもあいつったら信じられないんです!プロポーズになんて言ったと思います?等価交換の法則だからとか言うんですよ」
「エドワード君らしいわね」
「いつまでたっても錬金術バカっていうか…錬金術師って皆、ああなんですか?」
「そうねぇ…」
「これから先の参考にマスタング将軍とリザさんのお話もききたいなぁって」
「私達はそういう関係じゃないもの。参考にはならないわよ」
「でも、お二人はどんな時でも一緒にいらっしゃるじゃないですか。理想的な関係だなぁって。正直に言うと、私、ずっとリザさんが羨ましかったんです」
「私もウィンリィちゃんが羨ましくなったことあったわよ」
「え?リザさんがですか?だって私、なんで待ってるしか出来ないんだろうってずっと思ってたんですよ」
「過去形なんでしょう?」
「はい。やっと本当に分かった気がするんです。私には私の居場所があって私にしか出来ない役目があるんだって。そしてそれはとても幸せなことなんだって」
「そうね。私も今は同じことを思ってる」
「なんか似てないのに似てるんですね私達。あ!きっとバカな錬金術師には私達みたいな女じゃないと駄目なんですよ」
「そうかもしれないわね」
クスクスと笑いあって和やかな談笑のまま電話は切れた。
「随分と楽しそうな声が聞こえたが相手は誰か聞いても?」
そこへ当然のように彼があらわれる。こういうタイミングは相変わらずだ。
「いつからいらしたんですか?」
「残念ながら、つい先程だよ。質問の答えを聞いていないが?」
「ウィンリィちゃんですよ。こちらの都合をわざわざ気遣ってかけてくれたんです」
「ああ、鋼のの。しかしあいつも意外とやる時はやるもんだな。で、何を話してたのかね?」
「随分、気にされるんですね」
「君のあんな楽しそうな声は久しぶりに聞いたからね。気にもなる」
「女同士の秘密です」
「そう言われると余計気になるんだが」
「将軍だってエドワード君が挨拶まわりに来てくれた時に男同士の会話されてたじゃないですか」
「なっ!まさか君、聞いて…」
「私が盗み聞きなんてするとお思いですか。それとも聞かれてはまずいお話をなさっていたんですか?」
「いや、そういうわけではないんだが…む。そうか女同士の秘密か…」
「幸せそうでしたよ。ウィンリィちゃん。式に行くのが楽しみですね」
「ああ。そうだな」
初めて会った時はあんなに小さかったあの子達が新しい家庭を作っていく。
次世代が幸福を享受していく世界、願っていたものの1つにふれて自然と柔らかな笑みを浮かべながら、ふと、彼との新たな約束を思い出した。
ウィンリィちゃんには、ああ言ったけど私達の約束の言葉は錬金術師たる彼らしくない言葉だったのだ。
ホムンクルスとの最終決戦が終わった後、視力の戻った彼はイシュヴァール政策への決意とともに1つの約束をくれた。
「私の全てをもって取り組もうと思う。どれくらいかかるかも分からん。私の未来も預ける覚悟だ。そのうえで君と改めて約束を交わしたい」
「はい」
「私には君が必要だ。だから君の未来は私がもらう」
真っ直ぐな眼で私を見て彼はそう言った。
それはもう私の意志を確認する言葉でなく彼の意志の言葉。
幼いあの日から本当はずっと欲しかった言葉だ。
だから私はこの約束に決まりきった言葉を口にした。
「何を今更」
今、私の世界は現在も未来も彼の世界と同じところにある。
Fin.
★コメント
最終話記念とロイアイ記念を兼ねて。
最後の写真のウィンリィのピアスがないのとリザの髪がショートなのはそういう意味もあるのかなという妄想。ついでにエドがプロポーズしたきっかけの1つに増田との会話があったりしないかなとか妄想。
他、いろんなものをつめこんだらこうなりました。
最終話は本当にいろんなパターンが妄想できて楽しいのですが、そのうちの1つだと思っていただければと。
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